
首塚:
東京の平将門伝説
千代田区の平将門伝説
ところで、平将門の「首」は、地元・坂東市に祀られた「胴体」とは異なり、遠く離れた東京 大手町で祀られることになったと伝えられます。前述のように、将門は関東武士などにとって、特別な存在でしたが、当然、その首を祀る「首塚」も、彼らにとって特別な場所となったと考えられます。
そのような状況を反映し、江戸・東京の街は、この聖地「首塚」を中心に形作られていった可能性があります。
実際、平将門を深く崇敬していた徳川は、江戸の町づくりにあたって、将門の存在を強く意識していました。たとえば江戸城の大手門は「首塚」の目の前に設けられました。そして、将門を祀る「江戸の総鎮守」神田明神を、江戸城の鬼門方向に移転し、江戸を守ろうとしました(神田明神WEBサイト)。
現在、「首塚」のある千代田区には、国会議事堂、霞が関、最高裁判所など、国の中枢機関が集中し、「首塚」の周囲には大企業の本社や東京駅などがありますが、私たちが目にする現在の東京中心の日本の姿は、関東を守った平将門のご加護のもとに形づくられてきたのかもしれません。
平将門の記憶は、現在の日本にあっても、高層ビルが立ち並ぶ大都会の中で、今なお息づいています。
おすすめスポット
・神田明神 東京都千代田区外神田2丁目16-2(御茶ノ水駅5分)
歴史:
天平2年(730年)に創建され、平将門の時代よりも以前から東京の歴史を見守ってきた由緒ある神社です。徳川家康が戦勝を祈願したことを契機に、江戸を守護する「江戸の総鎮守」として位置付けられました。
祭神:
主祭神の一柱として、平将門が祀られています。ただし、もともと神田明神(神田神社)は、大国主(だいこく様)を祀る神社であり、えびす様も祀られています。
行事と文化:
江戸三大祭の一つ「神田祭」は、平将門などへの尊敬と感謝を示す伝統行事として親しまれています。この祭りは、神田明神の歴史と平将門の記憶を現代に伝える役割を担っています。創建からまもなく1300年を迎えるこの神社は、江戸文化を象徴する存在であると言えるのではないでしょうか。
資料館:
敷地内には「神田明神資料館」が併設されており、平将門に関する資料や歴史的展示物を見ることができます。訪れる人々に、将門と江戸の歴史を伝えています。
このように歴史ある神田明神ですが、常に最新のトレンドを取り入れ、華やかな魅力にあふれています。
境内には充実したお土産コーナーがあり、秋葉原に近いことから「IT情報安全」のお守りでも有名です(オンライン授与所でも入手可能)。
また、神田明神ホールではアイドルイベントなどが頻繁に開催される一方で、伝統的な結婚式(神前式)や明神会館での披露宴も行われ、古き良き伝統と現代文化が共存する特別な空間となっています。
年始には、入りきれないほどの参拝者が訪れる人気スポット。ぜひ一度足を運び、大国主(だいこく様)の国造りの記憶、将門公の威光、そして最先端の文化が共存する、神田明神ならではの魅力を体感してください。
・将門塚 千代田区千代田区大手町1-2-1(大手町駅すぐ)
もともと神田明神は、この地にありました。真偽は不明ですが、平将門の首が祀られていると伝えられています。
千代田区観光協会 NHK
・出雲大社東京分祠 港区六本木7丁目18-5(六本木駅すぐ)
もともとは神田明神内にありました。現在は六本木に鎮座し、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)(だいこく様)を祀っています。ちなみに出雲大社の神紋は亀甲紋です。うしろに見えるのは六本木ヒルズです。
・築土神社
千代田区九段北1-14-21 (九段下駅2分)
主祭神ではありませんが、平将門公が祀られています。かつてこの神社には、「将門公の首桶」と伝えられる桶が安置されていましたが、東京大空襲によって焼失しました。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。将門公の首桶だけを祀っていたというのは、不自然ではないでしょうか。桶があったということは、かつてその中に「何か」が収められていたとも考えられます。
もしかすると、桶とともに将門公の首そのものが祀られていた時期があったのではないでしょうか。
・兜神社 東京都中央区日本橋兜町1-8 (茅場町駅6分)
大国主〈だいこく様〉が祀られています。
東京証券取引所の近くにあり、証券界の守り神とされています。
真偽は不明ですが、平将門の兜が祀られていたという伝説が残っています。
兜神社は東京証券取引所の裏手右側に鎮座しています。兜神社のお守りは、東京証券取引所内でいただけます。
・鎧神社 東京都新宿区北新宿3-16-18 (大久保駅11分)
大国主〈だいこく様〉や平将門が祀られています。
真偽は不明ですが、平将門の鎧がこの地に眠っているという言い伝えがあります。
ここに記載した内容は、真偽が明らかではないもの、筆者による推論等も含まれますが、伝承や史跡に基づくものも多く、これらの伝承や史跡は地域の文化や信仰の中で大切に受け継がれてきたものです。
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